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2009
ジョールリ100」(10.10 徳島中央公園・10.12 徳島脇町劇場オデオン座)に出演。

 ウィウィマーフィー/AWA/吉田勘緑+木偶舎という形態で、演目「女殺油地獄」を披露。

【全解説】photo & written by hizumi

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■「女殺油地獄」セットリスト 
M-1/ミリョク(ウィウィマーフィー) 
M-2/金魚(ウィウィマーフィー) 
M-3/ハナビラ(ウィウィマーフィー) 
M-4/忘れな草(AWA) 
M-5/Cream(ウィウィマーフィー) 
M-6/Bloody Moon~赤いノートから~(ウィウィマーフィー) 
M-7/透明で曖昧(AWA) 
M-8/テシマヤノダン(ウィウィマーフィー+AWA) 
M-9/明日(ウィウィマーフィー) 

舞台の流れとしては主人公である与兵衛のシーンはウィウィマーフィー、お吉のシーンをAWAが担当する。2バンドを使い分けることで、登場人物の心象風景を分ける演出は、観る側も分かりやすかったと思う。それでは各曲ごとに舞台のシーンを解説する。 


M-1/ミリョク(ウィウィマーフィー) 
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河内屋与兵衛の登場シーンで、花道から登場して客席のなかを練り歩く。ステージ上でも与兵衛は演奏するウィウィマーフィーに絡んだりの大暴れっぷり。与兵衛の放蕩息子ぶりを存分にアピールする。 
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M-2/金魚(ウィウィマーフィー) 
M-3/ハナビラ(ウィウィマーフィー) 
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金魚の演奏が始まると遊女・小菊が登場し、艶姿が演じられる。その後、恋心を持つ与兵衛が現れ、小菊にちょっかいを出すがうまくかわされる。与兵衛は腹立てながら去って行く。原作でいえば徳庵堤茶店の場面よりも前、もしくはその後を表現していると思われる。 
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M-4/忘れな草(AWA) 

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場面は一転して、豊嶋屋の女房・お吉のシーンとなり、お吉が娘と一緒に現れる。原作の徳庵堤茶店の場面から親子のシーンだけを抽出したと思われる。親子2人で座り、お吉が何か話を聞かせたり、風車を渡したり、親子のふれあいが続く。お吉の家庭的でやさしい性格であることをうまく表現している。 
今回のためにAWAが書き下ろした「忘れな草」の歌詞も2人の思い出をテーマに叙情的な言葉がいくつも綴られ、このシーンでは「親子愛」というカタチと見事にマッチしていた。 
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M-5/Cream(ウィウィマーフィー) 
M-6/Bloody Moon~赤いノートから~(ウィウィマーフィー) 
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ふたたび与兵衛登場。原作では河内屋内の場面で家から勘当された後あたりだと思われる。居場所をなくし、返すあてのない借金を作っては取り立てに怯えている与兵衛。何をやってもうまくいかずに自らを責め立て、次第にすべての歯車が狂いはじめて自暴自棄になる。 
2曲ともウィウィマーフィーの書き下ろし。「Cream」は、ギターと歌だけの前半部分では世間との距離に悩む若者の孤立した感情を伝え、後半に愛する女性にすがるような思いの内容が出てくる。この後半の対象となる女性を遊女の小菊ととらえるか、お吉ととらえるかは観る側の判断次第。 
激しい曲調の「Bloody Moon」では、完全に自暴自棄となった与兵衛の姿と重なり、クライマックスに向かっていく感じを煽る。 
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M-7/透明で曖昧(AWA) 

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原作にはなく、おそらく完全なオリジナル。お吉が何か思いに更けているような姿を描く。とにかくお吉が1人舞う姿が印象的な場面で、最後の宙に上がっていく姿はまさに美しい。AWAの「透明で曖昧」のスローでやさしいメロディー、手塚くんの歌声がシーンを引き立てる。ウィウィマーフィーのメンバーも客席からこのシーンを観たいと言うほど。 
このシーンは時間軸が前後して、この後に惨殺さた後の場面をカットインさせているらしい。お吉の魂が天に昇っていく様を浮遊感あふれる演技は必見の素晴らしさ。ただ他にも単純にお吉の純粋な心を表現しているという解釈もあるだろうし、与兵衛が頭の中でお吉のことを思い描いているシーンという捉え方もできるので、解釈は観ているものにゆだねる。 

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M-8/テシマヤノダン(ウィウィマーフィー+AWA) 
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いよいよ有名な豊嶋屋油店の場面。ここではナガトミくんのサックスが入り静かで緊張感のあるインスト曲がはじまる。お吉は静かに店内で巻物を読んでいると、外から与兵衛が登場。与兵衛とお吉は話し合いを進めるがどこか不穏な空気が流れ、突然、与兵衛は小刀を抜き、お吉に襲いかかる。 
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逃げ惑うお吉とそれを追いかける与兵衛。舞台上では2人の絡みが繰り広げられ、お吉は刺されてしまう。刀傷を負わせても、なお与兵衛は襲いかかるが、お吉が油桶で反撃、ここで店内の床は油まみれとなり、2人は滑るように絡み合う。しかし、やがてお吉も力つき最後の刃で絶命。何度もお吉の死を確認し、与兵衛は金を掴み去って行く。
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ほとんど原作に近い演出で、舞台上の出来事を手に汗かきながら観いってしまうほど迫力のあるシーン。都内でのリハーサルで、このシーンを人形遣いの吉田勘緑さんが「与兵衛は本当はお吉が好きで、好きだった故に憎たらしいくらい刺してしまう」というようなことをおっしゃっていた。たしかに必要以上に残虐に刺す芝居だったが、本番とはまた解釈が違うのかもしれないし、あくまでも参考まで。
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M-9/明日(ウィウィマーフィー) 
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お吉の亡骸だけが残され、鋭くエッジの効いたギターが舞台の空気を切り裂く。ウィウィマーフィーの「明日」が演奏される。お吉の人形しかないものの、ここで歌われているのは去って行った与兵衛の心情。本人の姿がないだけに歌詞がダイレクトに伝わってくる。それからナガトミくんの歌声がとにかく胸に突き刺さる。これは下手な解説では伝わらないし、観たものしかわからないだろう。 
ちなみに「明日」の歌詞に出てくる「心臓のない人形になりたい」という一節は、おそらく原作に出てくる与兵衛の義父である河内屋徳兵衛の台詞「ヤイ木で造り土でつくねた人形でも、魂入るれば性根がある」に対してのアンサーかと。 
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この舞台は、人形浄瑠璃や歌舞伎で「女殺油地獄」の舞台を観ているか、観ていないかで評価が変わるかもしれない。多少、不親切さはあるけど、充分に想像力で話の流れはわかるし、新解釈の「女殺油地獄」ではあるものの、じつは作品の核心が伝わりやすいのが、このON-RAKUではないかと思ったりする。 
photo & written by hizumi

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